チケット購入

トンチャイ・ピマーパンシー インタビュー

Q:リハーサルに参加してみてどうだった?

今回のプロジェクトは初めて参加するタイプの芝居で、新鮮で楽しい。キスやセックスを舞台上で表現する時、タイでは、それが見せかけだと誰でも分かるような手法を取るけれど、今回の演出ではリアリティを感じる。同時に、原作の小説には露骨な性描写が多く、それをそのまま上演すれば、観客はまるでアダルトビデオでも見ているのかという気分になってしまうかもしれないが、岡田さんの演出であれば、セックスにも違った意味が含まれているということが示唆されるし、単なる猥褻さとは感じないと思う。

Q: 自身でも創作活動をしていますか?

共演者のタナポン・アッカワンユー(Thanaphon Accawatanyu)と最近一緒に作品を創りました。ですが、自分だけで作品を創ったことはまだなく、普段はほぼ俳優のみの活動です。

Q: 俳優や演出家として活動する上での方向性を聞かせてくれる?

最初の頃に目指していた作品は、社会的な問題を学べたり、観客に問いを投げかけたりするをた作品だったけれど、最近では、より自分に誠実に、自分が実際に感じていることを表現するような作品を作りたいと思っています。その点では、セリフがある演劇作品よりも、身体だけで表現するフィジカルシアターの方に興味を持っています。

Q: これまで最も影響を受けた演劇作家は?

B-floor Theatreの作品、特に共同芸術監督のTeerawat Mulvilaiさんと女優のDujdao Vadhanapakornさんから影響を受けました。12個の赤いタンクを使ったTeerawatさん本人のソロ・パフォーマンス『Red Tank』では、Teerawatさんが転がってくる赤いタンクの上を走ってよけるシーンが非常に印象的な作品でした。Dujdaoさんの作品は、ただ目の前のできごとを認知するだけでなく、まるで自分も本当にその人と同じ体験をしたような感覚になります。演劇をただ見る・聞くということだけにとどまらず、観客と俳優が体験を共にするという形式の作品に魅力を感じます。

プロフィール

トンチャイ・ピマーパンシー

「Splashing Theatre Company」共同創設者、俳優。タマサート大学政治学部在学中、演劇クラブで演技経験を積む。ダンス、フィジカル・シアター、ミュージカルなど多様なジャンルにわたる舞台作品に参加、B-Floor Theatre, Anatta Theatre Troupe作品にも俳優として出演している。IATC Thailand Dance and Theatre Awards 2016にて最優秀男優賞を受賞。

俳優インタビュー 一覧