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ササピン・シリワーニット インタビュー

Q: リハーサルが始まって6日目、今日は1章から6章まで初めて作品全体のリハーサルが行われたけれど、ここまでの印象は?

スケールの大きなプロジェクトなので、とにかく毎日が発見の連続!出番はそんなに多くないけれど、他の出演者と共に時間を過ごすことで、日に日に1つのチームという感覚が強まってきているような気がする。

Q: 小説を読んだ時と、稽古をしている現在とで作品に対する印象は変化した?

初めてこの小説を読んだ時は、とても個人的な小説だと感じたし、私自身もこの小説を読むのはプライベートな空間で、集中しとないとできなかった。その時はこの作品を演劇化してどうなるかが想像できなかったけれど、様々なシーンをピックアップしながら稽古を重ねる中で、新しい視点や感覚を感じている。

Q: 小説の中で印象的なシーンや、共感できなかった点はあった?

男性視点の性描写は、性行為中の男性の脳内を覗いているような感覚になるから面白い。それと、自分とウティット(Uthis)さんの意見が結構一致しているので、作中の政治的な意見や社会的な事象にはとても共感した。単に作者が自身の政治観を押し付けるという作品ではなく、同時に他の視点にも気づかされるような作品なので、読んでいて色々と質問をされているような感覚がした。性と政治という異なる側面が絡み合う作品で素晴らしいと思うし、性的な興奮と政治的な興奮が似ていることなどは、自分では気付かなかった視点なので、面白かった。

Q: ササピンさんの今後の方向性は?

演劇のプロデューサーとしては、タイ演劇シーンを他の国の演劇シーンと繋げたいと考えています。タイの演劇作品は他の国の作品と比べても遜色ないクオリティだと思っているので、もっと海外に紹介していきたい。
B-Floor Theatreで海外とのコラボレーション作品を行う時は、大体自分がプロデューサーと窓口を担当していて、過去には自分が企画してコラボレーションを実現させたこともあるし、相手から声をかけてもらって作品上演に結びつくことも。将来の展望としては、暴力に関する作品を3カ国からバンコクに招聘して、上演するフェスティバルを開催したいと考えています。2019年末の開催を目指しているんだけど、このプロジェクトとのスケジュールを調整しないといけないな、と思っています。

Q: このプロジェクトに期待していることは?

期待よりも今は楽しみの方が大きい。海外ツアーは初めてで、自分の夢が実現する感覚。
これまで参加してきたのは短期的なプロジェクトがほとんどなので、長期的なプロジェクトに参加できてとても嬉しい。

プロフィール

ササピン・シリワーニット

俳優、演出家、プロデューサー。チュラロンコーン大学で英文学の学士号及び修士号を取得、在学中に演劇活動を始める。B-Floor Theatreメンバーとして国内外で活動。2013年より演出家として自身の作品を発表、最近作はIATC Thailand Dance and Theatre Awards 2017にて最優秀女優賞を受賞した“OH! ODE” (Oh! What Joy, What Goodness, What Beauty Calls For Ode No.7012)。B-Floor Theatreでプロジェクト・マネジャーとして、また個人としてもインディペンデントに多くの国際プロジェクトに携わる。バンコク国際舞台芸術ミーティング(BIPAM)2018 アーティスティック・ディレクター。

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