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プロフィール

ウティット・ヘーマムーン(原作)

1975年タイ中央部サラブリー県ケンコーイ生まれ。バンコクのシラパコーン芸術大学絵画彫刻版画学部卒業。2009年に発表した3作目の長編小説『ラップレー、ケンコーイ』(英訳 “The Brotherhood of Kaeng Khoi”)にて作家としての地位を確立、同年の東南アジア文学賞とセブン・ブック・アワードを受賞。CNNGoにて、タイで最も重要な人物の一人として掲載された。2013年、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで実施されたアーティストワークショップ「Work in Memory」に、映画監督のアピチャッポン・ウィーラセタクンと共に招聘講師として参加。同ワークショップに参加した日本のアーティストとの交流を通じて執筆した中編小説『残り香を秘めた京都』を発表。2014年から2015年までタイの文芸誌『Writer Magazine』及びタイ国文化省現代芸術文化局発行の文芸誌『Prakod』編集長。2017年『プラータナー 憑依のポートレート』(タイ語原題 “Rang Khong Pratthana”、英訳 “Silhouette of Desire”)を発表、同年バンコクにて自らのドローイングと絵画による展覧会「Silhouette of Desire」開催。2018年、タイ文化省よりSilpathorn Award文学部門受賞。

岡田利規(脚本・演出)

1973年横浜市生まれ、熊本在住。演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰。活動は従来の演劇の概念を覆すとみなされ国内外で注目される。2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。同年7月『クーラー』で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005ー次代を担う振付家の発掘ー」最終選考会に出場。2007年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を新潮社より発表し、翌年第二回大江健三郎賞受賞。2012年より、岸田國士戯曲賞の審査員を務める。2013年には初の演劇論集『遡行 変形していくための演劇論』、2014年には戯曲集『現在地』を河出書房新社より刊行。2016年よりドイツ有数の公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレ(ドイツ)のレパートリー作品の演出を4シーズンにわたって務めている。

塚原悠也 (セノグラフィー・振付)

1979年京都生まれ、大阪在住。2004年関西学院大学文学研究科美学専攻修了。2006年にダンサーの垣尾優と共に「contact Gonzo」を大阪にて結成。公園や街中で「痛みの哲学、接触の技法」を謳う、殴り合いのようにも見える即興的な身体の接触を開始。個人名義の活動としては、2014年にNPO法人DANCE BOXの「アジア・コンテンポラリー・ダンスフェスティバル 神戸」や、東京都現代美術館の「新たな系譜学をもとめて 跳躍/痕跡/身体」展などでパフォーマンス・プログラムのディレクションを行う。また2014年より丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて始まったパフォーマンス企画「PLAY」にて『ヌカムリ・ジャミポス3部作』と名付けたパフォーマンス作品を3年連続発表。2011年〜2018年、セゾン文化財団フェロー助成対象アーティスト。2020年よりKYOTO EXPERIMENT共同プログラムディレクター。

ウィチャヤ・アータマート(演出助手)

1985年バンコク生まれ。タマサート大学映画専攻を卒業後、バンコク演劇祭のプロジェクトコーディネーターとして舞台芸術に携わる。2009年に「New Theatre Society」に参加、演出における様々な実験的試みや、型にはまらないアプローチで評価を得る。特定の期間を通して社会がどのように歴史を覚えているか、またいかに忘れてしまうかを、様々な創造的な分野の人々とコラボレートすることによって探求することに強い関心を持つ。現代社会の現象や演劇形態それ自体に疑問を投げかけるためのプラットフォームとして、2015年「For What Theatre」を共同設立。2019年5月には『This Song Father Used to Sing/Three Days in May』がクンステンフェスティバルデザール(ブリュッセル)、ウィーン芸術週間にて上演された。

福冨渉(原作翻訳・日本語字幕制作)

1986年東京生まれ。タイ文学研究者、タイ語翻訳・通訳者。鹿児島大学グローバルセンター特任講師。著書に『タイ現代文学覚書』(風響社、2017年)。共著書に『タイを知るための72章』(明石書店、2014年)や『アピチャッポン・ウィーラセタクン:光と記憶のアーティスト』(フィルムアート社、2016年)など。プラープダー・ユン「新しい目の旅立ち」を批評誌『ゲンロン』に翻訳連載中、単行本として刊行予定。2019年6月、本作の原作小説翻訳を手がけた『プラータナー 憑依のポートレート』(ウティット・へーマムーン)が河出書房新社より刊行された。

出演

ジャールナン・パンタチャート

チェンマイ大学マス・コミュニケーション学部を卒業。バンコクを拠点とするフィジカル・シアター・カンパニー「B-Floor Theatre」の共同設立者であり、共同芸術監督を務める。演出家に加え、ダイナミックな身体パフォーマーとしても活動し、カンパニー作品への出演のほか、ドイツ、日本、シンガポール、韓国、アメリカなどで国際共同製作作品にも多数関わり、「タイで最も素晴らしい女優」と評されるなど、高い評価を得ている。2014年、タイ文化省よりSilpathorn Award受賞。2016年、ショートフィルム『Ferris Wheels』での演技によりショートショート映画祭&アジア2016にて映画最優秀俳優賞受賞。

ケーマチャット・スームスックチャルーンチャイ

1988年生まれ。チュラロンコーン大学工学部出身。在学中に舞台照明を学び、演劇活動に携わる。バンコクの劇団「Democrazy Theatre Studio」メンバーであり、俳優、テクニカルマネージャー、照明デザインを務める。俳優としては、「B-Floor Theatre」共同芸術監督のテーラワット・ムンウィライによる『Fundamental』、バンコクの劇団「New Theatre Society」のParnrut Kritchanchaiによる『ap Rok ‒ imaginary Invali』などに出演。

クワンケーオ・コンニサイ

女優、パフォーマー、歌手、声優。バンコク大学にてパフォーミングアーツの学士号取得、オーストラリアン・インスティチュート・オブ・ミュージックにてポストグラデュエート・ディプロマ取得。ミュージカルに多数出演するほか、映画出演、アニメの吹き替えなども行っている。「New Theatre Society」の『The Trail after Kafka’s』(2014)、バンコクの「トンロー・アートスペース」で上演された、Damkerng Thitapiyasak演出『Dans Le Noi』など、小劇場作品にも参加している。

パーウィニー・サマッカブット

タマサート大学演劇学科、チュラロンコーン大学スピーチ・コミュニケーション&パフォーミング・アーツ学科卒業。劇団「Democrazy Theatre Studio」共同創設者であり、俳優、照明デザイン、プロデュースを務め、新世代の演劇人や観客創出に尽力している。Adjima Na Pattalung、Nikorn Saetang、Pradit Prasartthong、Wichaya Artamart、平田オリザ、矢内原美邦など多くの演出家の作品に俳優として参加、高い評価を得ている。バンコク国際児童演劇祭2016、2018のオーガナイズを担当。

ササピン・シリワーニット

俳優、演出家、プロデューサー。チュラロンコーン大学で英文学の学士号及び修士号を取得、在学中に演劇活動を始める。「B-Floor Theatre」メンバーとして国内外で活動。2013年より演出家として自身の作品を発表、近作にIATC Thailand Dance and Theatre Awards 2017にて最優秀女優賞を受賞した『OH! ODE』 (Oh! What Joy, What Goodness, What Beauty Calls For Ode No.7012)。「B-Floor Theatre」でプロジェクト・マネージャーとして、また個人としてもインディペンデントに多くの国際プロジェクトに携わる。バンコク国際舞台芸術ミーティング(BIPAM)アーティスティック・ディレクター。

タップアナン・タナードゥンヤワット

チュラロンコーン大学コミュニケーション・アーツ学部を卒業後、アート学部で演劇を学ぶ。仏教の生き方や哲学を、演技や演出、物語の手法に融合させるタイの劇団「Moradokmai」で研修した。現在は、フリーの俳優として舞台やテレビに出演するほか、自ら演出やテレビ番組の脚本も手掛ける。

ティーラワット・ムンウィライ

「B-Floor Theatre」共同創設者・共同芸術監督。パフォーマー、ダンサー、フィジカル・シアター作品の演出家など多岐にわたる活動を展開。造形芸術と舞台芸術を融合させ、社会と政治における暴力や不公平さなど人々の生活に影響を与える構造の問題を扱いながら批評的な作品を創作。現代タイにおける最もクリティカルかつ社会性の高い演出家と評されている。2012年、長年にわたる平和、民主制、正義への貢献にあたりPiti Silp Santhi Dhamma Awardsを受賞。国際的なコラボレーションの経験も数多く、2019年には「B-Floor Theatre」とソウル拠点の身体的演劇グループ「Momggolシアター」とのコラボレーションで、IATC Thailand Dance and Theatre AwardsにてBest Movement base Performanceなど3部門を受賞。2018年、タイ文化省よりSilpathorn Award 舞台芸術部門受賞。

タナポン・アッカワタンユー

1992年生まれ。タマサート大学ジャーナリズム・マスコミュニケーション学部卒業。2014年、演劇カンパニー「Splashing Theatre Company」を共同創設。これまでほぼ全作にて作・演出を務める。映画を学んだバックグラウンドから、自作においては映画作品をモチーフに現代社会の人間像を描くことが多い。IATC Thailand Dance and Theatre Awards 2016にて『The Disappearance of the Boy on a Sunday afternoon』がBest Play賞と最優秀脚本賞を受賞。

トンチャイ・ピマーパンシー

「Splashing Theatre Company」共同創設者、俳優。タマサート大学政治学部在学中、演劇クラブで演技経験を積む。ダンス、フィジカル・シアター、ミュージカルなど多様なジャンルにわたる舞台作品に参加、「B-Floor Theatre」や「Anatta Theatre Troupe」作品にも俳優として出演している。IATC Thailand Dance and Theatre Awards 2016にて最優秀男優賞を受賞。

ウェーウィリー・イッティアナンクン

チュラロンコーン大学芸術学部卒業。パフォーマーとして、「B-FloorTheatre」、「Democrazy Theatre Studio」の作品に参加している。近年の活動では、「Democrazy Theatre Studio」の『Happy Hunting Ground』(タイとドイツのコラボレーション作品、2016)に参加、バンコク公演の他ドイツ、スイス公演に参加。2015年、「B-Floor Theatre」の『Manoland』、 2014年にバンコク、仙台、東京で上演された子供向け作品『yoo-dee』にも出演。

ウィットウィシット・ヒランウォンクン

パフォーマー、俳優、歌手、ソングライター、文筆家。タイ映画『Love of Siam』主役として一躍東南アジアで注目を集め、ソロアーティストとしても「PCHY」名義でタイや中国にてアルバムをリリース。近年は舞台俳優活動も積極的に行う。IATC Thailand Dance and Theatre Awards 2016にてオリジナルミュージカル『Cocktails』が最優賞ミュージカル賞と最優秀男優賞を受賞。2018年、自身が脚本を務めた一人芝居『{private conversation} : A Farewell To Love Of Siam』がIATC Awards にてBest Adapted Script For A Performance / Playを受賞。

クリエイティブチーム

藤谷香子(衣裳)

衣裳家、これまでの「FAIFAI」作品全ての衣裳担当。国内外作家の舞台作品だけでなく、音楽、美術等多分野の作家と作品制作を行い衣裳を担当する。子ども向けWSや市民参加型のWSを行い、衣裳の観点から作品を制作している。近年では柴幸男、木ノ下歌舞伎、KUNIO、岡田利規、金氏徹平、近藤良平×永積崇(ハナレグミ)、森山未來による作品に参加。

ポーンパン・アーラヤウィーラシット(照明)

シアターデザイナー、リサーチャー。チュラロンコーン大学のシアターデザインの修士号を取得。数多くのプロダクションの照明デザインを務め、バンコクを拠点に活動しているデザインスタジオ「DuckUnit」のディレクターも務めている。活動はコンサートや演劇、そして実験的なパフォーマンスに及んでいる。近年は、映画監督アピチャッポン・ウィーラセタクンの初の舞台作品『フィーバー・ルーム』の照明デザインを担当。また、劇場デザインのレクチャーを実施するほか、「ノンヒューマンパフォーマンス」や「パフォーミングアーツのタイムイメージ」をトピックにリサーチを重ねている。

荒木優光(音響)

1981年生まれ、京都在住。音響作家。サウンドドキュメンタリーやフィールドレコーディングの手法を用い、音を主体として身の回りにある事物や記録と組み合わせた聴取空間を構築する。並行したプロジェクトに、記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY(アーカイブスペイ)」、 映像やパフォーマンス作品におけるサウンドデザイン、エクスペリメンタルジャンクバンド「NEW MANUKE」などがある。

松見拓也(セノグラフィーアシスタント・映像)

1986年生まれ。写真家。京都精華大学グラフィックデザインコース卒業。2010年よりパフォーマンスグループ「contact Gonzo」に加入。同年、NAZEと共に「犯罪ボーイズを結成」。紙片「bonna nezze kaartz」を毎月刊行している。

大田和司(舞台監督)

公演ごとに巨大な野外劇場を設営することで知られる大阪の劇団「維新派」の舞台監督として、1992年より2017年の解散までほぼすべての公演に携わり、野外公演では劇場プランも担当する。フリーランスの舞台監督/技術監督として他に、ダンス、演劇、イベントなど多数。2017年より京都造形芸術大学舞台芸術研究センター/京都芸術劇場の技術監督も兼ねている。

ムティター・パーニッチ (脚本翻訳)

タイ語—日本語の翻訳家、通訳。大阪大学工学部電子情報工学科で学位を取得後、米ハーバード大学情報工学科にて修士号を取得。ソフトウェア開発の翻訳を経て、ドキュメンタリーから文学作品まで多岐にわたる翻訳活動を展開。日本語からタイ語への翻訳を幅広く行っている。代表作には『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』『IQ84』(村上春樹)、『IP/NN』(阿部和重)、『キャプテンサンダーボルト』(阿部和重、伊坂幸太郎)、『犬婿入り』(多和田葉子)、 『裏ヴァージョン』(松浦理英子)。

パタラソーン・クーピパット(翻訳協力・通訳)

チュラロンコーン大学文学部東洋言語学科日本語講座を第一級優等学位で卒業。2015年、文部科学省の奨学金により日本語・日本文化研修留学生として大阪大学へ1年間留学。大学在学時より様々なマンガ、ライトノベルの翻訳を手がける。

マッタナー・チャトゥラセンパイロート(翻訳協力)

バンコク出身。日本文学研究者、翻訳家。チュラロンコーン大学文学部東洋言語学科日本語講座講師。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。チュラロンコーン大学文学部東洋言語学科日本語講座非常勤講師を経て、2012年より現職。2014年3月〜同年7月早稲田大学教育・総合科学学術院国語国文学科外来研究員。翻訳に、
『1Q84』 Book1-3(共訳/村上春樹)、『ざらざら』(川上弘美)、『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(岡田利規)など。

中村茜 (統括プロデューサー)

1979年東京生まれ。日本大学芸術学部在籍中より舞台芸術に関わる。2006年株式会社プリコ グを立ち上げ、08年より同社代表取締役。チェルフィッチュ・岡田利規、ニブロール・矢内原美邦、飴屋法水などの国内外の活動をプロデュース、海外ツアーや国際共同製作の実績は30カ国70都市におよぶ。2009年NPO法人ドリフターズ・インターナショナルを、金森香(企画・PR・プロデュース)と藤原徹平(建築家)と共に設立。そのほか、『国東半島アートプロジェクト2012』『国東半島芸術祭2014』パフォーマンスプログラムディレクター、2018年よりアジアを旅するエクスチェンジ・プ ラットフォーム「Jejak-旅 Tabi Exchange : Wandering Asian Contemporary Performance」の共同キュレーター等を歴任。2016-17年、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)の支援を受けバンコク(タイ)に18ヶ月、ニューヨ ーク(アメリカ)で6ヶ月研修。2011~2015年、日本大学芸術学部演劇学科 非常勤講師。舞台制作者オープンネットワークON-PAM理事。